本番前にも、練習の前にも時間があれば必ずやってること。
トレーニングも兼ねたウォーミングアップ。
本番前は時間的にウォーミングアップだけやけど。
↑はだいたい今現在やってるウォーミングアップなんやけど、何のためにやってんのんか、何でこの内容なんか、ってハナシ。
まず、何のために、か。
もうこれは読んで字の如くで、ウォーミングアップのため(笑)
他の人はどうなんか知らんけど、わしの場合、やるとやらんでは全然違うねんね。
とくに寒くなってくると。
なので、実際、寒い時期はしっかり時間をかけてやるし、あったかくなってくると短くしたりもする。
まだ専門家に訊いたことがないから分かれへんけど、コンガの演奏で一番使う腕(とくに前腕部)の筋肉をほぐしてるイメージでやってるんやけど、ウォーミングアップをやっておくと、右手も左手も楽に動かせるようになって、どの音色もより小さい動き・力で鳴らせるようになる。
基本的に力というよりはスピードとポイントで鳴らす楽器やと思うし、筋肉がほぐれることでよりしなやかにムチの原理が機能するんやろね。
映像ではウォーミングアップの前後で比較してるけど(15:37~)、目で見た違いよりも体で感じてる違いの方がずいぶん大きくて、映像ではたいして違いが分からんね💦
あ。それと、本番を迎えるための心の準備、ていうのもあるかな。
ストレッチをしてウォーミングアップ、っていうのんがだいたい本番の20分くらい前からのルーティン。
ま、というところが、何のためにウォーミングアップをやるんか。
で、何でこの内容なんか。
むかしからずっとおんなじ内容のことをやってるかって言うとそうでもなくて、ここ10年くらいかな。ウォーミングアップ自体をするようになったんも。
ウォーミングアップに使ってる動きの内容ってのは、どれも過去に自分の課題やったもの。
どれも基本なんやけど。
わしの場合、一番最初のとっかかりをメキシコにいた頃に先生に習ってただけで、帰って来てからはほとんど独学やったさかいに、それが基本やっていうことには後々気が付いたんやけどね。
1:ヒール・トゥ(Heel & toe / Palma y dedo)
20代の頃、お前のリズムはハネてるってずっと言われ続けてたことがあって、あれこれ試行錯誤するものの一向に改善せず、、、みたいなかなり苦しい時期があったんやけど、その頃に辿り着いたトレーニングだったかな。これは。
トゥ(指)の方にアクセントを置いて、しっかり均等に8分(16分)音符を刻めるように。
ヒール(手のひら)のついでにトゥが鳴るっていうんやなくて。
結局、ヒールとトゥ(手のひら側と指側)、オモテ拍とウラ拍がしっかりコントロール出来てないことが原因でハネてたんやね。
それとおんなじ原因やったのがオープンで、それを矯正するトレーニングとしてやるようになったのが、
2:ダブルストローク
コンガの場合、右手(利き手)って、演奏中はほとんどダブルストロークなんよね。
ずっとTumbaoをやってる場合は。
なので、1つ目の音と2つ目の音がしっかり均等にコントロール出来てないとやっぱしハネることになる。
初めのうち、ダブルストロークの2つ目の音はどうしても弱くなるし、コントロールが難しい。
なので、『右右左左』とやるなら、それぞれ2つ目の音にアクセントを置いて、これまたしっかり均等にリズムを刻めるように、ゆっくりのテンポからトレーニングする。
オープンの場合は音色が一番大事なんで、2つ目の音もしっかり鳴るように。
テンポを上げて行った時に鳴らなくなった場合は、鳴らせるギリギリのテンポより少し早いテンポで、きっちり2音とも鳴るようになるまでやる。何日かで出来るようになる時もあれば何週間も何ヶ月も、の時もあるけど。
いかに早く叩けるか、がポイントではなくて、いかに早いテンポでもしっかりオープンが鳴らせるか、がポイントなので、常識的なテンポ内で2つ目の音がかすれるようなら必ず立ち止まるべき。
1と2が出来るようになるのにわしの場合は1年はかかってるけど、しっかり時間をかけてやる価値のあるトレーニングやとわしは思う。
で、結局、1も2も動きに大きく影響してるのんは前腕の筋肉。やと思う。
このヒール・トゥなんていう手の動きは日常生活の中ではまずない動きなんで、コンガっていう楽器を練習し始める時に必ずつまずく。
また、動画の中でも触れてるように、素早く90度近くまで手の平を反らす、っていうのなんてその最たるもんで、最初から出来る人なんているんかなぁ?
わしも出来るようになるのに随分かかった気がするけど。
このトレーニング(1も2も)をやったことがある(やってる)人なら分かると思うけど、しばらくすると前腕の筋肉が張ってくる。
これはその筋肉を使ってますよ〜っていう証拠やし、もちろん今でもその日の初め、叩き出す前にこれをやると必ず熱を持って張った状態になる。
まさに読んで字の如く。
で、コンガの演奏に必要なのは、この筋肉を素早く収縮させること。
そしてそれを素早く元の位置に戻すこと。
このトレーニングを続けることでそれが身に付くんで、まだ取り組んでなくてその辺りのことで1歩前進したい人には、オススメ。
1 (ヒール・トゥ)の場合はトレーニングの結果(効果)として、均等にプレイ出来るようになるし、音源なんかで聞くようにしっかり左手(左利きの人は右手、かな)でリズムが出せるようになる。
2(ダブルストローク)の場合は、ある程度のテンポまではキレイに右手(左利きの人は左手)だけでオープンの2音 (トゥンバオの場合)を叩けるようになる。
オレはラテンなんかやらんしずっとオルタネートで叩くんじゃ!ってヒト(がいるかどうかは知らんけど )にもこのトレーニングはやってほしい。
このトレーニングで手首の可動域が広がるし、その分、ムチの原理でより素早く強く打面をヒット出来るようになるから。
ライブでもリハでも、自分の音が聞こえへん、なんていうヒトにはマストなトレーニングかもね。
ちなみに、野外で練習する、っていうのもそういうヒトにはすごく大事。
先にもちょっと書いたように、この前腕の筋肉、毎日仮に演奏なり練習なりで楽器を触ってたとしても、その日の最初、楽器を触る前には筋肉がほぐれてないから動きが悪いし、手首の可動域も狭いし、なにより思ったような音が出されへん。
たまにツアーなんかでサルサやティンバのライブが続いたりすると、手が痛いのはもちろんなんやけど、この前腕部分の張りが日を追うごとに取れへんようになってきて (つまり手首の稼動域が狭くなってきて)、思うような音は出んわ、手ぇは痛いわで、かなり演奏がしんどい、なんてことがある。
あと、冬場の場合やと、ウォーミングアップもなしに冷えた手でいきなり演奏したりすると、鳴らすのに余計な力を使ってる分手を痛めやすい。
とまぁ、それくらいこの前腕部の筋肉は大事やとわしは思てるんで、今でも練習前も本番前も可能な限りウォーミングアップはするようにしてます。
ウォーミングアップの動画には他にもウォーミングアップを兼ねた弱点克服のための項目が入ってるんやけど(5:13~)、一番大事なんは1・2のふたつやし、既にだいぶ長いんで、この辺で。